タコの夢は「短いビデオクリップ」のようなもの?
この結果から、タコはレム睡眠(動的状態)の最中に、私たちと同じく夢を見ている可能性が高まりました。
タコは無脊椎動物の中で最も複雑な神経システムをもっており、高い学習能力や優れた記憶力を誇ります。
夢に「記憶の整理」という役割があることを踏まえると、タコが夢を見ていてもおかしくありません。
その一方で、研究主任のシダルタ・リベイロ氏は「タコが夢を見るとしても、私たちのように複雑な物語を見ているとは考えにくい」と言います。
なぜなら、タコの動的状態はわずか数秒〜1分しか持続しないからです。
「その短時間の中で見れる夢は、ごく短いビデオクリップか、あるいはGIFのようなものでしょう」と同氏は指摘します。
いずれにせよ、今回の発見は、生物進化について興味深い問題を提起します。
同チームの神経科学者であるシルビア・メデイロス氏は「タコのような頭足類と脊椎動物は、約5億年前に分岐しており、進化上の距離が隔たっています。
その中で、似たような睡眠サイクルが別々に進化したことは、非常に興味深い問題です」と話します。
もし同じ睡眠サイクルが独立して獲得されたならば、それを両者に促した進化上の必要性や圧力は何なのか。
その点も含めて、今後も調査を続けていく予定とのことです。