「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のサイクルを発見!
長年の間、レム睡眠(動的状態)とノンレム睡眠(静的状態)のサイクルが知られていたのは、哺乳類と鳥類だけ(最近、爬虫類でも確認)でした。
しかし2012年、ヨーロッパコウイカにレム睡眠に似た急速眼球運動が発見されたことから、研究チームは「タコにも同じ睡眠サイクルがあるのではないか」と考えます。
そこでチームは、ブラジル沖に分布する「Octopus insularis」を4匹採捕し、睡眠実験を開始。
10日間の順化期間(ラボ内の環境に慣れさせる)を経た後、4日間にわたり睡眠時の様子をビデオ撮影しました。
その結果、すべての個体に、体色が青白いまま変化せず、静止したまま眠る「静的状態」と、体色が激しく変化し、眼球もピクピクと動き続ける「動的状態」の2つが確認されたのです。
静的状態は平均して6分以上持続し、その後にごく短い動的状態が訪れていました。
このサイクルが30〜40分間隔で繰り返されます。
チームはこの2つが実際に睡眠状態にあることを確かめるため、刺激への反応スピードをテストしました。
1つはスクリーン上に画像を映す「視覚刺激」で、もう1つは水槽を叩いて振動を与える「物理刺激」です。
その結果、いずれの状態でも、覚醒時より明確に反応スピードが落ちており、タコが睡眠状態にあることが示されました。
これは2つの状態がそれぞれ、レム睡眠とノンレム睡眠に相当することを意味します。