脳は「記憶しやすい部屋」を知っている――出来事の前から
脳は「記憶しやすい部屋」を知っている――出来事の前から / Credit:Canva
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脳は「記憶しやすい部屋」を知っている――出来事の前から

2026.01.19 18:30:55 Monday

アメリカのプリンストン大学(Princeton University)で行われた研究によって、「記憶が残りやすい部屋」と「そうでもない部屋」がある可能性が示されました。

研究者たちは「新しい記憶をぐらつかずに引っかけておきたいなら、それを支えるしっかりした土台が必要なのです」と述べています。

また研究では「記憶が残りやすい部屋」かどうかを、脳の活動から事前に数値として予測できることも示されました。

出来事の記憶が行われる前に、舞台で勝負が始まっているというのは非常に興味深い視点です。

研究内容の詳細は2026年01月02日に『Nature Human Behaviour』にて発表されました。

Spatial contexts with reliable neural representations support reinstatement of subsequently placed objects https://doi.org/10.1038/s41562-025-02379-z

場所の違いで記憶力に差は出るのか?

場所の違いで記憶力に差は出るのか?
場所の違いで記憶力に差は出るのか? / Credit:Canva

卒業以来はじめて母校の教室に入ったとき、当時の情景が一気によみがえった…そんな経験はないでしょうか。

場所と思い出は切り離せない関係にあります。

転んでひざをすりむいた校庭、告白してフラれた帰り道、初めて一人で入ったコンビニ。

出来事だけでなく、そのとき立っていた地面や、見上げていた天井まで、妙に鮮明に浮かんできます。

記憶の研究でも、こうした「場所の力」は昔から知られていました。

「ある場所で覚えたことは、同じ場所に戻ると想起しやすい」ということが実験的に確かめられているのです。

映画やドラマなどで「思い出の場所」を訪れた主人公たちの裏に過去の映像が浮かぶシーンが流されることがありますが、それは科学的にもある程度裏付けがあるわけです。

人の体験をつかさどるエピソード記憶(体験の記憶)は、内容だけでなく、そのときの空間と結び付いていると考えられているからです。

では、場所によって「記憶の土台」としての有用性に差があるとしたらどうでしょうか。

また脳活動を調べることで、事前に記憶に有利な場所を科学的に予測できるのでしょうか?

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