性的に興奮すると男性は「態度」より「服装」に判断を引っ張られる
私たちが他人の気持ちを読み取るときには、さまざまな情報を利用しています。
研究チームはその中でも、女性の性的な関心を判断するときに使われる視覚的な手がかりを、大きく2種類に分けて考えました。
1つは、服装や身体的な魅力など、その人を見た誰もが受け取れる「全般的な手がかり」です。
たとえば露出度の高い服装は性的な魅力を感じさせることがありますが、それだけでは「その女性が今、目の前の男性に関心を持っているか」までは分かりません。
もう1つは、表情や視線、身体の向きなど、特定の相手に向けて変化する手がかりです。
こうした情報は、その場で相手が自分にどのような反応を示しているのかを判断する上で、服装より直接的な情報になります。
そこで研究チームは、服装と表情がわざと食い違う状況を作り、男性がどちらを判断材料として重く扱うのかを調べました。
実験に参加したのは、18歳から73歳までのドイツ語を話す男性284人で、いずれも異性愛者です。
参加者には、コンピューター画面上に同じ女性を写した2枚の写真が同時に提示され、「どちらの女性が今、あなたに性的な関心を示していそうか」をキー押しによって選んでもらいました。
写真は、女性の「服装」と「表情」が異なるように組み合わされています。
特に重要なのが、「カジュアルな服装で、好意的な表情」の写真と、「セクシーな服装で、明確に拒絶する表情」の写真を並べた条件です。
この場合、服装だけを見ると後者の方が性的に魅力的に見える可能性がありますが、表情を見ると前者の方がその男性に関心を示しているように判断できます。
参加者はまず性的興奮を誘発する前にこの課題を行いました。
その後、約5分半のエロティックな音声ストーリーを聞き、性的興奮を高めた状態でもう一度同様の課題に取り組みました。
すると、性的興奮を誘発する前は、「セクシーな服装+拒絶する表情」の写真を選ぶ割合が平均約11%だったの対して、性的興奮を誘発した後には、その割合が約14%へと増加していたのです。
一方、「セクシーな服装+性的な関心を示す表情」と「カジュアルな服装+拒絶する表情」のように、服装と表情が同じ方向を示している条件では、選択の偏りは約5%のままで、性的興奮後にも有意な増加はみられませんでした。
つまり、性的に興奮したからといって単純に判断能力全体が低下したわけではありません。
しかし服装と態度が矛盾したときに、相手の表情よりも性的に魅力的な服装をしている、という点で相手が自分に行為を持っていると判断する割合が増えたのです。
さらに性的興奮後には、参加者が選択するまでの時間そのものも短くなっていました。
つまり、性的に興奮すると、セクシーな服を来ているという情報だけで、性的に受け入れてもらえるという判断をしやすくなっていたのです。
研究者らは、この結果から、性的興奮によって反応がより自動的になり、自分の現在の欲求と一致する情報が判断に入り込みやすくなった可能性を考えています。

































