1億人を超える男性のデータから「別れ」と自殺の関係を分析
世界的に見ると、男性は女性よりも自殺によって亡くなる割合が高く、その背景には精神疾患やアルコールや薬物の使用、経済問題など多くの要因が関係しています。
その中でも以前から注目されてきたのが、恋人や配偶者との関係の破綻です。
親密な関係は、愛情だけでなく、心理的な支えや安心感、社会とのつながりをもたらします。
そのため関係が壊れると、精神的な苦痛に加えて、住居や経済状況、人間関係、子どもとの関わりなど、生活のさまざまな部分が同時に揺らぐ場合があります。
しかし、男性の中でも「誰が特に危険なのか」「関係が壊れてからの時間によってリスクは変わるのか」「どのような心理的要因が関係しているのか」は、これまで十分に整理されていませんでした。
そこで研究チームは、2000年以降に発表された研究を集め、男性の親密な関係の破綻と、自殺念慮、自殺企図、自殺死亡との関連を体系的に調べました。
最終的に対象となったのは30カ国の75研究で、そこに含まれる男性は合計1億671万9740人に達します。
このうち29研究は、異なる研究の結果を統計的にまとめるメタ分析に使われ、残る研究についても共通する傾向が詳しく検討されました。
その結果、別居または離婚した男性では、既婚男性と比べて自殺念慮のオッズが1.64倍でした。
また離婚男性では、自殺企図のオッズが1.73倍、自殺死亡のオッズが2.82倍となっていました。
ただし自殺企図については研究間のばらつきが大きく、精神疾患などの影響まで考慮すると結果は一貫していませんでした。
一方、自殺死亡については他の要因を詳しく調整した研究だけに絞っても、離婚男性で高いオッズが残っていました。
そして何より目を引いたのが、単に「離婚しているかどうか」ではなく、関係が壊れてからの時間でした。
より詳細な結果を次項で見ていきます。
































