女性の早い閉経は記憶力が速く低下することと関連
女性の早い閉経は記憶力が速く低下することと関連 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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女性の早い閉経は記憶力が速く低下することと関連

2026.09.13 20:11:22 Sunday

閉経は、卵巣がエストロゲンなどのホルモンを周期的に出さなくなる、体の大きな節目です。

エストロゲンは脳の細胞の働きや血管を支え、炎症を抑えると考えられてきました。

女性は長生きする分を差し引いても、男性よりアルツハイマー病になる生涯のリスクが高いことが知られています。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、閉経が早かった女性ほど、高齢期の記憶力の衰えが速い傾向があったと報告しました。

アルツハイマー病と診断される時期も、早い傾向がありました。

対象は、高齢の女性2,603人。

登録時の平均は78歳で、最長18年にわたって毎年、記憶や思考の速さのテストを受けました。

閉経の時期を変えて比べた実験ではなく、長く追いかけて関連を調べた研究です。

研究チームのモデルの推計では、閉経が十年早いと、アルツハイマー病と診断されずに過ごせる老後が二年近く短くなる、という計算です。

では、脳の中では何が起きていたのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年8月25日に『JAMA Network Open』にて発表されました

Earlier menopause is linked to faster memory decline and earlier Alzheimer’s onset (PsyPost) https://www.psypost.org/earlier-menopause-is-linked-to-faster-memory-decline-and-earlier-alzheimers-onset/ Menopause age, reproductive span and hormone therapy duration predict the volume of medial temporal lobe brain structures in postmenopausal women (Psychoneuroendocrinology) https://doi.org/10.1016/j.psyneuen.2023.106393
Age at Menopause and Brain Atrophy Among Older Women https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2026.30973

自然な閉経では「白質の傷」が速くたまっていた

自然な閉経では「白質の傷」が速くたまっていた
自然な閉経では「白質の傷」が速くたまっていた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究チームが使ったのは、長く続く2つの追跡調査のデータ。

初潮と閉経の年齢は本人の申告で、閉経が自然だったか手術によるものかも尋ねています。

研究の間に亡くなった参加者は脳の解剖でアルツハイマー病の痕跡を調べ、一部の参加者は2年ごとにMRIで脳を撮影しました。

MRIで測ったのは脳全体の体積と、「白質高信号(はくしつこうしんごう=MRIで白く光って見える、神経の連絡路の傷の目印)」の量です。

自然に閉経した女性では、閉経が早いほど白質高信号がかなり速くたまり、この関連は年齢が上がるほど強まっていました。

手術で卵巣を取った閉経では、この関連は見られませんでした。

一方で、記憶の衰えと診断の早さについては、手術による閉経のほうが関連が強い傾向でした。

卵巣を取る手術では、ホルモンが徐々に減る自然な閉経と違って、急に大きく下がります。

研究チームは、白質の関連が自然な閉経に限られたことを、ゆるやかなホルモンの変化に特有のものとみています。

閉経から何十年もたった脳に、なぜ差が残るのでしょうか。

次ページ閉経の年齢が脳の将来を考える「中年期の目印」に

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