一生に一度レベルの奇跡の遭遇!
シャックルトン氏は今月6日、クイーンズランド州のレディ・エリオット島付近でダイビング中に、奇跡の遭遇を果たしました。
「最初に見たときは、長いヒレを持つ幼魚と思ったのですが、近づくにつれ、それがブランケット・オクトパスだとわかり、喜びを抑えきれませんでした!」と興奮気味に語っています。
ブランケット・オクトパスは、亜熱帯から熱帯の沖合に生息するムラサキダコ(Tremoctopus)属の種です。
岩場に隠れて生息することが多いタコの中で、ブランケット・オクトパスは珍しいことに水面を漂うように泳ぎます。
サンゴ礁の保護に取り組む非営利団体・グレートバリアリーフ財団(Great Barrier Reef Foundation)によると、ブランケット・オクトパスの野生個体は同属の中でもめったに見られないグループだという。
一番の特徴は、腕の間に伸びる水かきのような肉厚のマントです。
これがブランケットを着ているように見えることから、この名前が付けられました。
こちらは2019年にフィリピン沖で夜間ダイビングの最中に撮影されたブランケット・オクトパスです。夜間のライトに照らされたときも、このように七色に輝く幻想的なヒレをしています。
今回は浅瀬で見つかったため、そのブランケットが光を透かして輝く珍しい姿が映されています。
人工のライトを反射したときとは違った妖しい魅力がありますね。
シャックルトン氏が遭遇したのは、若いメスの個体です。
このグループではメスが非常に特権的で、ブランケットはメスにしかありません。いざというときにはそれを取り外して捕食者の気をそらしたりします。
また、メスはオスに比べてはるかに大きく、メスは体長約2mまで成長しますが、オスは2.4cmにも達しません。
この雌雄間のサイズ比は、あらゆる動物の中で最も大きなものの一つと言われています。
これほどサイズに隔たりがあるので、オスとメスはまともに交尾できません。
そこでオスは交接腕(こうせつわん)と呼ばれる、精子の入った精包を受け渡すのに特化した腕を切り離して、メスに挿入するのです。
体格差があると、子孫を残すにも一苦労ですね。
シャックルトン氏は今回の体験について、”一生に一度の遭遇”だと表現しています。
「ブランケット・オクトパスに関する画像は、飼育下にある個体のものがほとんどです。
今回、日中の浅瀬で野生のブランケット・オクトパスに出会えたこと、それからカメラを持っていたことは本当に幸運でした」
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