高所から海やプールに飛び込んだ場合の衝撃を人体モデルで分析
水面への飛び込みは、私たちにとって意外と身近な体験です。
例えば、オリンピックに採用されている飛込競技では、10mほどの飛び込み台から、体をひねったり丸めたりしながら着水します。
また飛び込み選手でないとしても、飛び込み台のあるプールや海を訪れることで、ちょっとした飛び込みを楽しむことがあるでしょう。
しかし疑問が生じます。
素人がプロの真似をして高所から水面に飛び込んだ場合、どの程度であれば怪我をしないで済むのでしょうか?
ジョン氏も、この点で研究が不足していることを、次のように指摘しました。
「人間の生体力学では、高齢者の転倒による怪我や脳震とうなど、スポーツ外傷に関する膨大な文献があります。
しかし、飛び込みによる怪我の研究はありません」
そのため彼らの研究チームは、3Dプリントした実物大の人体モデルを用いて、着水の方法でどのように衝撃が変わるか実験しました。
また、人間の筋肉、靭帯、骨が耐えられる衝撃を計算し、鎖骨や脊髄、膝などが損傷する可能性にも着目しました。