偶然発見された「エルチェの貴婦人」
エルチェの貴婦人が発見されたのは1897年8月、スペイン南東部の都市エルチェ近郊にあるラ・アルクディア遺跡でした。
農作業中に石を取り除いていた作業者が、石の山の中から女性の顔が彫られた石を見つけたのです。
その後の調査で、これは石灰岩から彫られた胸像であることが分かりました。

高さは約56センチ、重さは約65キログラム。
等身大に近いサイズで、女性の上半身が精巧に表現されています。
この像で特に目を引くのが、頭部の装飾です。
女性は尖ったティアラとヴェールを身につけています。
さらに耳の位置には、巨大なロゼット状の装飾が取り付けられています。
胸元には護符付きのネックレスが三重に重なり、衣服もケープのような外套で飾られています。
唇や衣服の一部には彩色の痕跡も残っており、かつては鮮やかな色彩をまとっていたことが分かります。
こうした装飾は、イベリア文化だけでなく、ギリシャや北アフリカの影響を受けた様式と考えられています。
つまりこの像は、古代地中海世界の文化交流を物語る芸術作品でもあるのです。

























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