8m以上の高さから飛び込むと脊髄損傷の危険あり!足から落ちよう
実験の結果、訓練を受けていない人間は、次のケースで怪我をする恐れがあると分かりました。
- 頭から着水した場合は、8m以上で脊髄(特に頸椎)を損傷
- 手から着水した場合は、12m以上で鎖骨を損傷
- 足から着水した場合は、15m以上で膝を損傷
特に注目できるのは、頭から着水した場合です。
素人が飛び込み選手の真似をすると、指先から着水できず、脊髄に大きなダメージを負ってしまう恐れがあるのです。
そのため飛び込みにチャレンジするときは、体をひねったり丸めたりしようとせず、足からそのまま落ちるのがベストでしょう。
ちなみに、安全のボーダーラインである「15m」は、4階建てビルくらいの高さになります。
仮に、それ以上の崖で敵に追い詰められることがあるなら、命を狙われているのではない限り、おとなしく捕まった方がよさそうです。
また今回の実験では、人間モデルのほかに、飛び込みを得意とする動物の身体の一部(ネズミイルカ’Phocoena phocoena’の頭部、シロカツオドリ’Morus bassanus’のくちばし、チャイロバジリスク’Basiliscus basiliscus’の足)での衝撃も計算しました。
その結果、これら動物の身体構造が、衝撃を緩和するのに役立っていると判明。
例えば、イルカは頸椎(けいつい)同士が融合していて短いため、人間のように首を曲げて振り向いたりできないと言われています。
しかしこの構造が水中を泳いだり、飛び上がって水面に着水したりするときに安定感を与えると分かりました。
イルカは、人間が頭から着水したときに損傷しやすい部位を見事に保護していたのです。
研究チームは、今回の結果を、空中と水中の境界をスムーズに越えるための、新しい工学設計に役立てられると考えています。
※この記事は2022年7月に掲載したものを再掲載しています。
自殺