孤独で寂しくなるのは人間もオウムも一緒かもしれない
コロナ禍での外出自粛や隔離は、私たち人間に深い孤独感や寂しさを植え付けましたが、ビデオ通話が大いに役立ちました。
人々は家や病室でひとりでも、家族や友人の姿や表情を見ながら、言葉を交わし、時に笑い合い、交流を深めることができたのです。
実は、コロナ禍の人間以外にも隔離された存在がいます。それはペットとして飼育されているオウムたちです。
オウムは知能が高く社会性の高い鳥類であり、野生では大きな群れで生活しています。
ところがペットとして飼育されているオウムたちは、大抵の場合、生涯のほとんどをかごの中で孤独に過ごし、仲間の姿を見たり鳴き声を聞いたりすることは稀です。
研究チームは、「アメリカだけでも2000万羽以上のオウムがペットとして飼われており、社会的、認知的、感情的なニーズを満たすための適切な刺激が不足しています」と述べています。
時にはこうした孤独がオウムに強いストレスを与え、ケージの周りを絶え間なく歩き回ったり、羽をむしり取ったりするなどの問題行動を引き起こします。
では、人間で有効だった「ビデオ通話」によって、オウムたちの孤独感を紛らわせることはできるのでしょうか?
研究チームは、この点を確かめるため、合計18羽のペットのオウムに「ビデオ通話」を導入する実験を行いました。
それぞれのオウムたちは、飼い主のサポートのもと、自分たちの意思でタブレット機器を操作してビデオ通話するトレーニングを2週間受けました。
まずオウムたちは、ベルを鳴らしてビデオ通話したいことを飼い主に知らせます。
飼い主がタブレットを起動させると、画面には「オウムの友達」が表示されるので、オウムは飼い主のサポートのもと画面をタッチして、自分の意志で通話したい相手を選ぶことができました。
そうしてオウム同士のビデオ通話が始まると、飼い主は彼らの交流を見守りました。
この実験は約3カ月、合計1000時間以上にわたって実施され、オウムたちの様子や変化が観察されました。