性行為における男女間での不平等
「性行為において「膣性交」を中心に考えると、男女間での不平等が生じやすい」、研究者であるクルチ氏は、こう指摘しています。
この不平等は、特に女性が性的に満足できないという形で現れます。
しかし、そうした問題をはっきり口に出せるカップルというのは、実際稀でしょう。
性的な不満足感や、実際自分が望んでいる快感の得方をきちんとパートナーに伝えられるかと言うと、これは恋人同士であっても直接話し合うことはためらってしまう話題です。
そのため相互マスターベーションは、特に女性にとって、どうやって快感を得たいか非言語的にパートナーへ伝える良い機会となる可能性があるのです。
また、マスターベーションは女性にとっても、性的な満足感やオーガズムにたどり着きやすい行為であるため、カップルで相互マスターベーションを行うことは、男女双方とも平等に性的な満足を得る良い方法となります。
実際、セックス・セラピストは、カップルが一緒にマスターベーションをすることを推奨しています。
しかし、一般的にマスターベーションは「恋人のいない人が一人で行うもの」というイメージが強く、恋人同士の相互マスターベーションの役割とその意義についてはあまり調査されていません。
また、女性はマスターベーションや、バイブレーターを使用するとパートナーが引くのではないかと心配しており、男性の場合もパートナーに迷惑ではないかと考え、マスターベーションを控えている人もいます。
こうした意識のズレや調査の不足が、クルチ氏が相互マスターベーションについて研究する動機となりました。
では、実際にどのような研究が行われたのでしょうか。