1万回の圧力テストに合格!ただし洗剤が苦手
新しく考案されたセンサーがいくらか機能することは分かりましたが、気になるのは耐久性や正確性です。
耐久性に関しては、1万回以上の圧力テストをクリアし、問題なく機能することが分かりました。
また8000回にも及ぶ摩耗試験(専用の機械で試験布と摩擦布をこすり合わせる試験)の後でも、性能が劣化することはありませんでした。
ただし、衣服に必須な洗濯に関しては課題が残りそうです。
水洗いの後は特に大きな変化はありませんでしたが、洗剤で洗った後には、出力が著しく低下しました。
これは、洗剤に含まれる柔軟剤成分(界面活性剤)が糸に付着し、摩擦帯電の特性を弱めるからだと考えられています。
さらに、衣服の一部がセンサーの役割を果たすため、体を動かすことで意図しない入力がもたらされる可能性があります。
加えて、センサーに対する押し方の違いや、温度や湿度などの環境要因によっても、正しく入力されないケースが出てくるでしょう。
研究チームによると、機械学習を用いることでそのような誤作動を減らすことができ、正確性を高められるようです。
もちろん、この研究は初期段階にあり、製品化するためにはさらなる実験や調整が必要です。
それでもこのアイデアは、「自分が普段着ている服でスマートグラスを操作したりゲームをプレイしたりする」という「新しいウェアラブルデバイス」の可能性を秘めています。
一部の解説文を加筆しました。