刺繡ベースのタッチセンサーはどうやって機能しているのか?
研究チームが開発した刺繡ベースのタッチセンサーは、比較的シンプルな仕組みで動作します。
センサー自体は、「摩擦帯電」式です。
摩擦帯電とは、異なる種類の物質が接触した時に静電気が起きる現象のことです。
この現象を起こすため、新しい刺繡ベースのセンサーでは、2種類の導電性糸(マイナスに帯電する糸、プラスに帯電する糸)をそれぞれ下図のように、既存の布地に編み込みます。
片方が布地に沿って平らに編み込まれ、もう片方がアーチ形に編み込まれていますね。
編み込む際に重要なのは、それぞれの糸で作られた2層の繊維の間に隙間を作ることです。
研究チームは、刺繡時にスペーサーとして厚紙を配置し、編み込み終了後にそれを取り除きました。
これにより2層の間に隙間が生まれ、ユーザーが上から押した時だけ2つの層が接触。「電気信号のオンとオフ」が得られます。
つまり、従来の衣服に編み込むことができる刺繍ベースの「ボタン」または「スイッチ」となるのです。
このタッチセンサーで得られたデータはマイクロチップに送られます。
そしてマイクロチップは情報を処理した後、パソコンやスマホなどに指示を送るのです。