有能なカタツムリにインスピレーションを受けた科学者たち
その見た目や動きから、苦手な人も少なくない「カタツムリ」ですが、科学者たちは彼らから多くを学んでいます。
例えば、アメリカのペンシルベニア大学は、2021年にカタツムリの粘液から着想を得た「超強力接着剤」を開発しています。
また、カタツムリが足から分泌する粘液は、様々な地形を歩く際に役立っています。
もともとカタツムリでは、筋肉でできたお腹全体が足の役割を担っており、彼らはこの「腹足」を波打たせるようにして動かし、どんな地形でも歩くことができます。
この特殊な歩行に粘液がプラスされることで、カタツムリはスムーズに移動できるだけでなく、どんな表面にもくっつきます。彼らは、濡れていて滑るような場所でも、ごつごつした岩の上でもバランスを崩しません。
壁を這い上がったり、天井を逆さまになったまま横断したりすることさえ可能なのです。
さらにカタツムリは、腹足を吸盤のように用いて吸着力を高め、その場で静止することもできます。
今回、香港中文大学に所属するティン・ルン・ラン氏ら研究チームは、そんなカタツムリからインスピレーションを得て、新しいタイプのロボットを開発しました。