エモフィリア特性が強いと、不倫に走りやすい
研究チームは今回、「エモフィリア特性の高さがその人の恋愛経験の数や浮気の頻度を予測できる」と仮説を立て、調査を開始。
ノルウェーとスウェーデンから集めた2607名の被験者(女性75%・男性25%・平均年齢44歳)を対象にオンライン調査を行いました。
まず最初に、2011年に開発された「エモーショナル・プロミスキュティ・スケール(EPS)」という測定ツールを使って、被験者のエモフィリア度合いを評価しています。
具体的には、各個人が恋に落ちる容易さと頻度を測定するものです。
その後、エモフィリアと関連する性格特性があるかどうかを明らかにするために、被験者の「ビッグファイブ」と「ダークトライアド」も評価しました。
ビッグファイブは、人の性格を5つの主要な特性で評価するもので、
・外向性:社交的でエネルギッシュな傾向
・神経症傾向:感情的に不安定でネガティブな傾向
・開放性:新しい経験やアイデアに対する好奇心が高い傾向
・協調性:他人に対して思いやりがあり、共感性や協力性が高い傾向
・誠実性:責任感があり、計画的に行動する傾向
の5つに分けられます。
一方のダークトライアドは3つの暗い性格特性を示すもので、
・自己愛が強いナルシシズム
・他人を操ることに快楽を覚えるマキャヴェリズム
・反社会的な行動を繰り返すサイコパシー
に分けられます。
そしてデータ分析の結果、EPS測定ツールは北欧圏の集団に対しても、エモフィリア特性を評価する上でちゃんと機能することが確かめられました。
具体的には、エモフィリア特性のスコアが高かった人ほど、これまでに経験してきた恋愛関係の数が多く、さらに不倫をしている数も多かったのです。
これは男女ともに見られた傾向で、恋愛感情への感受性が他の人に比べて非常に高いことが要因と考えられます。
その一方で、エモフィリア特性の高い人は神経症的傾向やナルシシズムの傾向をわずかに示したものの、その関連性は大して強いものではありませんでした。
よって、エモフィリアであるからといって、ビッグファイブのどれかの特性が強かったり、あるいはダークトライアドを必ず持っているわけではないようです。
しかしエモフィリアのように恋愛感情の起伏が激しいと、色恋沙汰が発生しやすく、本人にとっても周囲の人にとっても良からぬ事態を生む可能性があります。
恋に落ちやすいこと自体は悪いことではないでしょうが、それがきっかけで不倫魔になってしまうなら、警戒すべき心理特性として認識する必要があるかもしれません。