南米とアフリカはいつ分裂し始めたのか?
大陸移動説は、大陸が地球表面上を移動してその位置や形状を変えるとする学説です。
現在、地球上の各大陸は離れ離れになっていますが、長い歴史の中で集合と離散を繰り返してきました。
ゴンドワナ大陸は今日のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸、アラビア半島、マダガスカル島をひとまとめにしたものでした。
アフリカ大陸と南アメリカ大陸をパズルのピースとして眺めると、凹凸がピタリとはまり合うのがわかりますね。
これまでの研究によると、ゴンドワナ大陸は約1億4000万年前の白亜紀初期に分裂を始めたと考えられています。
両大陸の間の裂け目は長い時間をかけて徐々に大きくなり、南米とアフリカの下にあるプレートが離れるにつれて、地球内部のマントルからマグマが表面に湧出しました。
そうして新しい海洋地殻が形成され、最終的には両大陸の間を南大西洋が埋めています。
約6600万年前の白亜紀末期には、南米・アフリカ・南極・インド・オーストラリアがそれぞれ完全に分離しました。
ジェイコブス氏いわく、「アフリカと南米をつなぐ最後の狭い地理的な繋がりは、現在のギニア湾沿いのカメルーン海岸とブラジル北東部の肘(出っ張りの部分)だった」といいます。
つまり、カメルーンとブラジルはアフリカと南米を自由に行き来できた最後のルートであり、今回の研究からそのハイウェイが少なくとも1億2000万年前までは繋がっていたことが示されました。
その後、カメルーンとブラジルの通路が切断されたことで生き別れてしまった恐竜たちもいたかもしれません。
今回の知見は、恐竜の足跡の一致から大陸移動のプロセスをより詳しく理解できた点で貴重な成果となっています。