精油の香りで仕事の効率は高まるのか?
この研究では、テレワークを1年以上継続している25~49歳の男女30名を対象に、精油の香りを使用した実験を行いました。
参加者は、以下の4種類の精油から好きなものを選び、日中と夜間に使用しました。
・日中は「ローズマリー・シネオール 」または「スイートオレンジ」
・夜間は「真正ラベンダー」または「ベルガモット」
比較対象として、香りのない精製水を使用する試験も実施しました。
研究では、気分の変化・睡眠の質・認知機能・仕事のパフォーマンスを測定しています。

その結果、以下のような効果が確認できました。
1:たった10分で気分が向上!
精油の香りを嗅いでから10分後に、参加者の気分が有意に向上したことが確認されました。
具体的には、活性度(Vitality)・安定度(Stability)・快適度(Pleasure)のスコアが上昇し、リラックスしながらも活力を感じる状態になっていました。
これにより、仕事の開始時にアロマを活用することで、短時間で気分を整え、スムーズに作業に入れる可能性が示されました。
2:4週間の使用でプレゼンティーイズムが低下
4週間の芳香浴を実施した結果、プレゼンティーイズム(健康問題による仕事上の生産性の低下)が有意に低下しました。
これは香りによって気分が安定し、ストレスが軽減されることで、仕事の効率が向上したと考えられます。
3:睡眠に害はないものの、メリットも特になし
一方で、精油の使用による睡眠の質が低下することはありませんでしたが、反対に質が向上することも確認されませんでした。
香りのリラックス効果はあるものの、睡眠そのものの改善には別の要因が関与している可能性が示唆されました。

今回の研究により、アロマテラピーが気分の向上や仕事の効率アップに役立つ可能性が明らかになりました。
特に、仕事を始める前や集中力を高めたいときに精油の香りを取り入れることで、スムーズに作業に取り組めるかもしれません。
在宅勤務中に集中力が続かないと感じる方は、お気に入りのアロマを取り入れてみてはいかがでしょうか。