女性に感染したアメーバとは?
死亡した女性は、体調を崩す直前の4日間にわたり、RVの飲料水用の蛇口から出る水を使って鼻うがいを行っていました。
一見、安全そうに見えるこの水。
しかし実際には適切な消毒がされておらず、細菌や病原体が繁殖する「バイオフィルム」が形成されていた可能性がありました。
女性が感染したのは「フォーラーネグレリア(学名:Naegleria fowleri)」という単細胞のアメーバです。

一般に水中に存在するこの微生物は、鼻から侵入し、嗅神経を通って脳に到達。脳組織を文字通り“食べながら”進行するという、恐ろしく攻撃的な病原体です。
病名は「原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)で、発症すると頭痛や発熱、吐き気から始まり、幻覚、意識混濁、けいれんを経て、短期間で死に至ることが多い恐ろしい病気です。
CDCの調査によれば、1962年から2023年にかけてアメリカ国内で報告された164件のPAM症例のうち、生存したのはわずか4人のみ。
致死率はほぼ100%とされる“最凶クラス”の感染症なのです。