認知症と診断される10年前から異変が?

本研究では「詐欺被害の報告数の増加」や「暗証番号(PIN)リセットの頻度上昇」など、金融的なミスや脆弱性の兆候も明らかになっています。
とくに驚くべきは、こうした異変が、正式に認知症と診断されて治療介入が始まるより最大10年前から少しずつ始まっていたという点です。
つまり、家族や医師が気づくよりもずっと早く、銀行のデータ上には“異常”が現れていた可能性があるのです。
これを受けて研究主任のジョン・ギャザーグッド教授は次のように語っています。
「社会として、もっと早くから金融能力の喪失リスクに気づき、支援を始める必要があります。銀行が持つ行動データは、早期発見の鍵になり得るのです」
もちろん、個人のプライバシーやデータ利用の倫理的配慮は欠かせません。
しかし、もしも適切な制度設計と運用ができれば、銀行データという場所が未来の認知症予防の最前線になるかもしれません。
認知症予防のために行動データの収集を許可?私は遠慮しておきます。
「暗証番号(PIN)の再設定やカード紛失の報告が顕著に増加」以外に関しては認知症ではなく老衰でも見られる傾向の気がする