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たった数分の小さな行動で人は幸福になれる / Credit:Canva
psychology

たった数分の行動で幸福度が上がる!1.7万人の研究で判明した”満足の習慣”とは?

2025.06.18 06:30:55 Wednesday

ストレス社会において、ウェルビーイング(幸福感)を高める活動に注目が集まっています。

ですが、忙しい日々の中で「ヨガを30分行う」「スマホを手放して自然と向き合う」といった提案に、ハードルの高さを感じる人は少なくありません。

そんな中、「1日たった数分、わずか1週間で幸福感が向上する」という研究成果が報告されました。

本研究は、アメリカ・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームが中心となって実施し、「マイクロ・アクト(喜びを生み出す小さな行動)」による幸福感向上の効果を科学的に検証しています。

研究内容は2025年6月4日付で『Journal of Medical Internet Research』誌に掲載されました。

Boost well-being and reduce stress with quick and easy daily “micro-acts” https://newatlas.com/health-wellbeing/well-being-daily-micro-acts-joy/
Scaling a Brief Digital Well-Being Intervention (the Big Joy Project) and Sociodemographic Moderators: Single-Group Pre-Post Study https://doi.org/10.2196/72053

たった数分の活動「マイクロ・アクト」でも人は幸せになれる?

本研究の背景には、「幸福感は心身の健康を支える重要な要素である」という科学的な知見があります。

高い幸福感を持つ人は、うつ病や不安障害の発症リスクが低く、心疾患や慢性病の発生率も抑えられると報告されています。

米国の国民予防戦略においても、「ウェルビーイング」は公衆衛生の重点領域として挙げられています。

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幸福で健康的な人生を送るには / Credit:Canva

従来のウェルビーイング向上法には、感謝日記の記入、瞑想、ポジティブ心理学的トレーニングなどがあり、その効果は多くの研究で実証されてきました。

しかし、これらの介入は数週間から数ヶ月にわたる取り組みが前提で、時間や労力を要するため、継続できない人も多いのが課題でした。

そこで研究者たちは、「もっと手軽で短時間でも効果がある方法はないか?」と考え、「The Big Joy Project(ビッグ・ジョイ・プロジェクト)」という大規模な市民参加型実験を立ち上げました。

このプロジェクトには、169カ国から1万7598人が参加しました。

各参加者は7日間、毎日1回、5〜10分程度の「マイクロ・アクト」を実施しました。

マイクロ・アクトの具体的なの内容は、「誰かの喜びを一緒に祝う」、「感謝リストを作る」、「小さな親切を計画・実行する」、「自分の価値観を見つめ直す」、「困難な体験から得たポジティブな側面を見つける」、「自然の動画を見て畏敬の念を味わう」、「世界に善をもたらす自分をイメージする」というものです。

参加者は、行動の前後で気分を記録し、7日後には自分の感情変化や効果の高かった行動のフィードバックを得ることができました。

次ページたった数分の行動で幸福感が高まると判明

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