最も色彩豊かな視力のNo. 1は?
視力の「精密さ」ではなく「色の豊かさ」で世界を見ているのが、海に生息する甲殻類・シャコです。
シャコの目は、まるでSF映画に出てくる宇宙人のような構造をしており、その機能も人間の想像を超えています。
私たち人間の目には、赤・緑・青の3種類の色覚受容体しかありませんが、シャコはなんと12種類もの色覚受容体を持っています。
その中には紫外線を感知するものも含まれており、私たちが決して見ることのできない“隠された色の世界”を日常的に見ていると考えられています。

また、シャコは「偏光」と呼ばれる特殊な光の性質も見分けることができます。
偏光とは、光が特定の方向に振動している状態で、人間にはほとんど知覚できません。しかしシャコにとっては、それが視界の一部として認識されているのです。
米クイーンズランド大学の研究者ジャスティン・マーシャル氏によれば、シャコの脳はこれらの膨大な視覚情報を、私たちとはまったく異なる方法で処理している可能性があるといいます。
つまり、シャコは単に「色がたくさん見える」のではなく、「色のパターン」を読み取っているのです。
色覚の多様性と視覚世界の深さにおいて、シャコは間違いなく色彩視力のチャンピオンです。