愛犬チワワがまさかの「コカイン中毒」に
事件は突然起きました。
2歳のオスのチワワが、ある日急にぐったりして反応が鈍くなり、舌を出したまま意識もうろう、瞳孔も開ききっていました。
飼い主はすぐに地元の動物病院に駆け込みました。
心臓の鼓動は異常なまでに遅く、病院到着時の心拍数は1分間に32回(健康な小型犬の半分以下)という、極めて危険な状態だったそう。
検査の結果、心臓のリズムを調整する“電気信号”の伝わりが悪くなっている「房室ブロック」という深刻な不整脈が判明。
さらに血液や尿を詳しく調べると、コカインが検出され、加えてフェンタニルという医療用オピオイドとその代謝物も見つかりました。
推定されるコカイン摂取量は約96mg。
体重5.5kgの小さな犬には致死的な量です。
コカインは南米原産のコカの葉から作られる強力な興奮剤で、脳や心臓を興奮させ、一時的な「ハイ」や「集中力の向上」をもたらします。
しかし、依存性が高く、心臓や脳への負担が強く、過剰摂取ではけいれんや不整脈、最悪の場合は死に至ることも。
一方、フェンタニルは本来は末期がんや手術の痛みなどに医療用で使われる超強力な鎮痛薬ですが、近年では違法ドラッグとして流通しています。
他の薬物に混ぜられて売られることが多く、数ミリグラムの摂取でも急性中毒死が多発しています。
飼い主は「自宅には違法薬物も危険な薬もない」と主張しましたが、直前に知人宅を訪れていました。
真偽は不明ですが、おそらくこのチワワはどこかに“落ちていたストリートドラッグ”を食べてしまったのでしょう。
実際、犬は「何でも口に入れる」習性があり、散歩中や他人の家、路上のゴミなどで思わぬ事故が起こるのです。
ちなみにチワワが食べたとされる「ストリートドラッグ」は、近年アメリカを中心にコカインとフェンタニルが混ざった“より危険な違法薬物”として流通が拡大。
ペットだけでなく、誤飲した子どもや大人も中毒死する事件が相次いでいます。
獣医師は「薬物中毒が疑われる場合、恥ずかしがらずに正直に申告してほしい」と呼びかけています。
では、今回コカイン中毒になったチワワはどうなったのでしょうか。