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人は歩き方で強さを判断できる / Credit:Canva
psychology

人は「歩き方」でも”強さ”を判断できる

2025.10.23 20:00:09 Thursday

「その歩き方、只者ではないな――」

漫画では、登場人物が相手の雰囲気や強さを「歩き方」から見抜くシーンがあります。

では、こうした“歩き方から強さを察知する能力”は、現実の私たち人間にも本当に備わっているのでしょうか?

イギリスのノーサンブリア大学(Northumbria University)の研究チームは、「人は歩き方のどんな特徴から“強そう”と直感するのか?」という謎に、3Dモーションキャプチャ技術を使って迫りました。

“動き”だけで「強そう」と評価される人とフィジカルの強さの関連も明らかにしています。

この研究成果は、2025年9月29日付の『Scientific Reports』誌に掲載されました。

Could your walk be a signal about your ability to win a fight? https://theconversation.com/could-your-walk-be-a-signal-about-your-ability-to-win-a-fight-262649
Perceiving intimidation through kinematic cues in men’s gait https://doi.org/10.1038/s41598-025-16400-y

「その歩き方、只者ではないな」というフレーズは現実的?

漫画や映画では、「雰囲気や仕草、何気ない動きから只者じゃないことが伝わる」場面がよく登場します。

現実でも私たちは相手の「顔つき」「体格」「声」などから“強そう”と感じ取っています。

実際、心理学の研究では顔写真だけでも筋力やフィジカルの強さをある程度見抜けることが示されてきました。

腕や胸、肩の周囲、身長などの“体格的な特徴”は、強さや危険性の判断材料として知られています。

また、声の響きから力強さを感じ取る現象も多く報告されています。

けれど、私たちが日常で遭遇する“只者じゃない相手”は、静止画や音声ではなく、「実際に動いて」います。

そこで今回の研究では、「歩き方そのものが強さのサインとなり得るのか」、そして「どんな動きが“強そう”に見えるのか」を科学的に解明することが目的とされました。

研究チームは、18~41歳の男性52人の歩行動作を3Dモーションキャプチャで記録。

顔や体格、服装などの見た目がわからないように処理された“シルエットアバター”動画に変換し、これを137人の評価者に3~4秒ずつ見てもらって「どれだけ強そうに見えるか」を7段階で評価してもらいました。

さらに、歩行者それぞれの体格(BMI、胸囲、肩囲、腕周り、ウエスト)、筋力(握力)、そして攻撃性(BPAQスコア)もあわせて測定。

「見た目を隠した歩き方」だけで、どれほど本人の体格や筋力との結びつきが見抜かれるのか、徹底的に調べられたのです。

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