「他人を利用」する姿勢と「自分は特別だ」という感覚が客体化を高める
この研究が扱う「客体化(objectification)」とは、相手を感情や意思を持つ主体としてではなく、目的のための道具のように見ることです。
客体化は、他者の主観性や自律性、個性を軽く扱い、交換可能な存在のように見なすことも含むとも説明されることもあります。
これまで客体化は、性的な場面や職場など、特定の状況で起きる現象として語られることが多くありました。
しかし現実には、場面を問わず「人を人として見ない」ような態度がにじむこともあります。
そこで研究者たちは、文脈に依存しない一般的な傾向として、他者客体化と性格特性のつながりを確かめようとしました。
対象となったのは、18歳から55歳までのポーランド人成人372人で、222人が女性でした。
参加者はオンライン調査に回答し、他者を物のように扱う一般傾向を測る尺度に加えて、いわゆるビッグファイブの性格特性、ダークトライアド、脆弱型ナルシシズム、心理的特権意識、対人搾取性、そして互恵性の考え方などが幅広く測定されました。
ここでいう互恵性とは、「してもらったことにはお返しをするべきだ」という考え方のことです。
研究では、親切には親切で返すべきだという前向きなお返しの考え方と、不当な扱いにはやり返すべきだという報復的なお返しの考え方の2種類に分けて測定されました。
そして分析の結果、他者客体化の強さは複数の性格特性と関連していました。
客体化傾向が低い人ほど、協調性が高く、ポジティブな互恵性を重視し、知的好奇心が強い(intellectually curious)傾向もやや見られました。
一方で客体化傾向が高い人ほど、他人を利用しやすい傾向や、自分は特別扱いされるべきだという感覚、さらにダークトライアド特性などとも関連が見られました。
ただし、関連があることと、どれが特に強く結びついているかは別問題です。
そこで研究者たちは、複数の特性を同時に扱う分析で、客体化と独立に結びつく要因を絞り込みました。
どうなったでしょうか。次項を見てみましょう。



























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