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Credit: canva
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脳を若く健康的に保つための活動とは?

2025.10.31 07:00:49 Friday

「歳を重ねても、頭のキレは若い頃と変わらない」

そんなふうに年齢を感じさせない人を見ると、「もともとの才能や特別な脳の持ち主だから?」と考えてしまいがちです。

しかし近年の国際共同研究により、誰でも実践できる“脳を若く保つ活動”が明らかになってきました。

キーワードは、創造的な活動――つまり、ダンスや絵画、音楽、あるいは戦略ゲームなど、「自分で表現したり工夫したりする趣味」です。

しかもこれらの活動が、脳の“見た目年齢”そのものを若返らせていたのです。

「クリエイティブな趣味は身体にも心にも良い」とはよく言われますが、実はそれが脳の老化スピードまで変えているとは、驚きではないでしょうか。

One Type of Activity Is Particularly Effective at Keeping Your Brain Young https://www.sciencealert.com/one-type-of-activity-is-particularly-effective-at-keeping-your-brain-young

脳の「老化」は抑制できる活動とは?

「脳年齢」は単なる感覚ではなく、AIを使った科学的な指標で測定できる時代になりました。

国際的な神経科学チームは、世界13か国・約1400人を対象に、専門ダンサー、音楽家、画家、ゲーマーなどさまざまな「創造的活動」の経験者と、同じ年齢・性別・学歴で創造経験のないグループを比較しました。

被験者の脳活動を「脳磁図(MEG)」や「脳波(EEG)」で記録し、AI(機械学習)が脳の“見た目年齢”=「脳年齢時計」を推定します。

もし実年齢より脳年齢が若ければ、脳のネットワークが効率よく機能している証拠です。

結果は驚くべきものでした。

たとえばタンゴダンサーの脳は、実年齢よりも平均で7年以上も若い脳年齢を示しました。

音楽家やアーティストも5〜6歳若く、ゲーマーでも約4歳若い脳年齢が観察されました。

しかも「たった30時間だけ」戦略ゲーム(StarCraft II)を練習しただけの初心者でも、脳年齢が2〜3歳若返る効果が見られたのです。

この結果はクリエイティブな活動に年齢や才能は関係ない」という事実を裏付けています。

ダンスでも絵でも音楽でもゲームでも、どの分野でも創造的に頭を使えば、脳のネットワーク全体が活性化し、若さを保つのです。

特に集中力や学習力に関わる脳の部位は年齢とともに衰えやすいですが、創造的な趣味を続けることで、その連携や柔軟性が強く保たれることもわかりました。

次ページなぜ創造的活動は脳を守るのか?

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