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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

恐竜の「オスとメス」を見分ける方法をついに発見か

2025.11.06 07:00:30 Thursday

「恐竜のオスとメスって、どうやって見分けるの?」

そんな素朴な疑問が、英国・北アイルランドのクイーンズ大学ベルファスト(QUB)の研究で明らかになったかもしれません。

これまで化石から性別を判定するのは極めて困難でしたが、世界中の博物館に眠る草食の「カモノハシ恐竜(ハドロサウルス類)」の尾の骨に残された“ある傷跡”が、1億年を超えて私たちに太古のラブストーリーを語りかけていたのです。

激しい恋の代償として背骨を折られたメスたち。

その“愛の傷跡”こそが、恐竜の性別判定の決定的な手がかりになる可能性があるとのことです。

研究の詳細は2025年11月4日付で科学雑誌『iScience』に掲載されています。

At Last, We May Finally Have A Way To Tell Female Dinosaurs From Males https://www.iflscience.com/at-last-we-may-finally-have-a-way-to-tell-female-dinosaurs-from-males-81438
Deciphering causes and behaviors: A recurrent pattern of tail injuries in hadrosaurid dinosaurs https://doi.org/10.1016/j.isci.2025.113739

なぜ「尾の骨」に同じ傷跡が?500体以上に広がる謎

化石化した恐竜の骨は、時間とともに多くの情報を失います。

特にオス・メスを直接判定できる「生殖器官」は、すべて朽ち果ててしまいます。

そのため、これまで恐竜の性別はほとんど謎のままでした。

しかし最近、国際研究チームが、カナダやアメリカ、ロシアなど世界各地の博物館コレクションを大規模に調査し、多くの化石に共通する1つの“異常”を発見しました。

それは「カモノハシ恐竜(ハドロサウルス類)」の尾の根元から中間部の神経棘(しんけいきょく)と呼ばれる突起状の骨に、驚くほど同じような“治った骨折痕”が高頻度で残されていることです。

その数、なんと500体以上。

しかもこの損傷は「5個以上の椎骨に連続して」発生し、場所もほぼ一致。時代も地域も異なるさまざまな種で、同じパターンが繰り返されていました。

【こちらは研究報告の概要図

この“不可解な傷”はどこから来たのか?

チームはまず「肉食恐竜にかまれたのでは?」と考えましたが、噛み跡や歯の痕がまったくないため否定。

「群れの仲間に踏まれた?」「筋肉の疲労や喧嘩?」などもシミュレーションや比較解析によって可能性が低いと判断されました。

そして残されたのが、“交尾説”です。

これはオスがメスに乗りかかったとき、強い力が尾の特定部位にかかったのではないか、という仮説です。

次ページ交尾の「愛の傷跡」がメスを示すサインに

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