画像
1500年以上前の「ウサギ彫刻」の指輪が見つかる / Credit:Canva
history archeology

1500年前の「ウサギ」彫刻の古代ローマ指輪を発見

2025.12.05 06:30:48 Friday

古代ローマの軍事拠点の遺跡から、新たな発見がありました。

イギリス北部ノーサンバーランドの Magna Roman Fort の現場で、1500年以上地中に埋もれていた銀製の指輪が見つかったのです。

その中央には小さなウサギの彫刻をもつカーネリアンと考えられるインタリオがはめ込まれていました。

今回の発見は、掘削チームの『Magna Dig Diary 2025』にて11月19日に報告されています。

1500-Year-Old Roman Ring with a Tiny Hare Was Discovered at Hadrian’s Wall in Britain and It’s Absolutely Stunning https://www.zmescience.com/science/news-science/1500-year-old-roman-ring-with-a-tiny-hare-was-discovered-at-hadrians-wall-in-britain-and-its-absolutely-stunning/ Magna Dig Diary 2025 https://romanarmymuseum.com/magnafort/magna-dig-diary-2025/

1500年以上前の「ウサギ彫刻の指輪」が見つかる

指輪が見つかった Magna Roman Fort(マグナ要塞) は、ハドリアヌスの長城の西端近くに広がる重要な軍事要塞です。

ハドリアヌスの長城は2世紀に建設された全長100キロ以上の防衛線で、ローマ帝国の「文明世界」の最北端を示す象徴的な場所でした。

この地域は現在も考古学的にきわめて重要な発掘地点であり、近隣の Vindolanda とともに、古代ローマ人の生活用品が多数出土することで知られています。

指輪が見つかったのは8月初旬で、ボランティアとして作業に参加していた Shaun 氏が、掘っていたトレンチの中から何か特別なものを見つけ、現場監督の考古学者 Rachel Frame 氏を呼びました。

Frame 氏が確認すると、そこには完全な形を保った銀製の指輪が姿を現していました。

清掃前にもかかわらず、この指輪は一目で美しい装飾品であることが分かり、1500年以上埋まっていたとは思えないほど良好な状態だったと記録されています。

指輪のバンドはシンプルなデザインで、その中心に埋め込まれた小さな宝石には、沈み彫りによってウサギの姿が刻まれていました。※画像はこちら

宝石はローマ時代の装飾品でよく用いられたカーネリアンである可能性が高いと考えられており、半透明の赤色を帯びた材質が細かな彫刻を際立たせています。

ウサギのモチーフはローマ文化では豊穣や敏捷性、再生や幸運の象徴として扱われており、自然界の力を表す図像として広く親しまれていました。

そのため、この指輪は単なる装飾品以上の意味をもち、当時の持ち主にとっても大切なお守りのような存在だったのかもしれません。

では、この指輪は「誰の持ち物」だったのでしょうか?

次ページ指輪の持ち主の謎

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

スマホ用品

歴史・考古学のニュースhistory archeology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!