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1500年以上前の「ウサギ彫刻」の指輪が見つかる / Credit:Canva
history archeology

1500年前の「ウサギ」彫刻の古代ローマ指輪を発見 (2/2)

2025.12.05 06:30:48 Friday

前ページ1500年以上前の「ウサギ彫刻の指輪」が見つかる

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指輪の持ち主の謎

指輪が見つかった地層を追加で調べても、持ち主の身元につながる手がかりは何も残されていませんでした。

そのため、1500年前にこの地を歩いていた誰かが偶然落としたものなのか、それとも別の理由で残されたのかは分かっていません。

Frame 氏は、「指輪を前にして男性が持っていたのか女性が使っていたのか、なぜ Magna にいたのか、そして失くしたことに気づいたときどのような気持ちだったのかを思わず考えてしまう」と記しています。

しかし、どれも確かな答えは分からず、現代から見る私たちにとっては、持ち主の存在そのものが大きな謎として残されています。

この指輪の価値は美術工芸品としての魅力にとどまりません。

銀製であること、カーネリアンのインタリオ(彫り込み)が完全な形で残されていること、そして1500年以上の時を経てほぼ無傷で発見されたことは非常に珍しく、考古学的な資料としての価値も大きいといえます。

また、このような個人的な装飾品が軍事要塞で見つかることは、当時の兵士や住民の生活の一端を示す重要な証拠となります。

日用品や軍事装備だけでは分からない、ひとりの人物の好みや生活感が、指輪の存在を通して少しだけ見えてくるのです。

今回の発見は、メディアでも取り上げられています。

イギリスの Channel 4 で放送されている「Sandi Toksvig’s Hidden Wonders」の第3話で紹介されており、 テレビに登場したことで、Magna 要塞の発掘現場が持つ学術的価値とロマンが広く伝わり、多くの視聴者が古代ローマの最前線で起きている新たな発見に触れる機会となりました。

1500年前にこの地を訪れた誰かが身につけていた指輪が、現代に姿を現したことで、ローマ帝国の最北端に生きた人々の存在が改めて感じられます。

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