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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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【超貴重】マッコウクジラの出産の撮影に成功

2026.03.27 12:00:43 Friday

カリブ海の穏やかな海で、ほとんど誰も目にしたことのない瞬間が記録されました。

それはマッコウクジラの赤ちゃんが誕生する場面です。

しかも今回の映像が特別なのは、「ただの出産」ではない点にあります。

母クジラ1頭ではなく、群れ全体が協力して出産を支えていたのです。

この極めて珍しい観察は、米国とドミニカで活動する研究プロジェクト「CETI(Cetacean Translation Initiative)」のチームによって2023年7月に記録されました。

これまで断片的にしか知られていなかったマッコウクジラの出産が、初めて詳細に記録されたことで、彼らの社会の本質に迫る重要な手がかりが得られています。

研究の詳細は2026年3月26日付で学術誌『Science Advances』に掲載されました。

Incredible Video Shows Sperm Whales Come Together to Birth a Calf https://www.sciencealert.com/incredible-video-shows-sperm-whales-come-together-to-birth-a-calf Baby sperm whale birth captured in groundbreaking video https://www.popsci.com/environment/sperm-whale-birth-video/
Cooperation by non-kin during birth underpins sperm whale social complexity https://www.science.org/doi/10.1126/science.ady9280

「出産」を群れ全体で支えていた

研究チームが観察したのは、ドミニカ沖に集まった11頭のマッコウクジラの群れでした。

この群れは、通常は別々に行動する2つの母系グループから構成されていました。

マッコウクジラは「母系社会」を築くことで知られています。

祖母・母・娘が同じグループで一生を過ごし、オスは成長すると群れを離れるのが一般的です。

しかし今回の出産では、その枠を超えた行動が見られました。

妊娠していたメス個体が出産を始めると、周囲のメスたちは彼女の周りに密集し、まるで役割分担をしているかのように配置されました。

出産自体は約34分で完了し、午前11時46分には新生児が確認されています。

こちらが実際の映像です。

そして、ここからが驚きの本番です。

生まれたばかりのマッコウクジラは、自力で浮くことが難しいと考えられています。

そのため群れの仲間たちは交代で子クジラを持ち上げ、水面に押し上げて呼吸を助けました。

この行動は約1時間にわたって続き、11頭すべての個体が少なくとも一度は育児に関与していたことが、後の解析で明らかになっています。

さらに注目すべき点は、血縁関係のない個体もこのサポートに参加していたことです。

これは「アロケア(非血縁個体による育児)」と呼ばれる行動で、クジラ類ではほとんど定量的に確認されていませんでした。

つまり今回の観察は、

「マッコウクジラの社会は血縁だけでなく、より広い協力関係で成り立っている」

ことを示す決定的な証拠となったのです。

次ページ「声」でつながる出産、クジラたちは何を伝えていたのか

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