標本から非常に高い確率でがんを発見
研究チームは乳がん患者33人から得られた94個のリンパ節を対象に、この装置の性能を検証しました。
ここで大事なのは、今回の試験が患者の体内で直接行われたのではなく、摘出された標本をすぐに調べる形で行われたという点です。
検証では、まず蛍光色素と近赤外線蛍光でリンパ節の位置を確かめ、その後に紫外線蛍光で転移の有無を見分けられるかを調べました。
その結果、近赤外線の信号はリンパ節の位置を非常にはっきり示しました。
一方、紫外線の信号では、転移のあるリンパ節のほうが、転移のないリンパ節よりも強い蛍光を示しました。
性能を数値で見ると、紫外線チャネルによる判別では感度97%、特異度89%(病気でない人を検出する確率)という結果が得られました。
これは、転移リンパ節をかなり高い精度で見分けられたことを意味します。
また近赤外線チャネルは、リンパ節の位置を示す役割をしっかり果たしました。
この技術の大きなポイントは、がんを見分けるために特別な標識を新たに使わなくてもよい可能性があることです。
近赤外線では既に使われている蛍光色素を利用し、転移の判別自体は組織がもともと持つ自家蛍光の違いを読むからです。
もちろん、課題も残っています。
今回の評価は摘出標本で行われたもので、実際の手術中にそのまま使うには、装置の取り回しや安全対策、処理速度などをさらに整える必要があります。
また紫外線は表面近くの情報しか見られず、炎症や線維化のようながん以外の変化が信号に影響する可能性もあります。
それでも、この研究が示した方向性は非常に興味深いものです。
これまで手術中には分かりにくかった情報を、光の違いとしてその場で読み取ろうとしているからです。
シャコの目から着想を得たこのカメラは、外科医の判断を助ける新しい道具になるかもしれません。
今後さらに改良が進めば、乳がんだけでなく、リンパ節の状態が重要になるほかのがんでも活躍する可能性があります。





























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