毎晩作られる「寝床」は環境適応の産物だった
チンパンジーは毎日、木の上に新しい巣を作って眠ります。
この巣は単なる寝床ではなく、体温を保ち、風雨から身を守る重要な役割を担っています。
しかしこれまでの研究の多くは、比較的温暖で天候が安定した低地で行われてきました。
そこで研究チームは、より厳しい条件に置かれたチンパンジーに注目。
調査地は、東アフリカ・ルワンダのニュングウェ国立公園の山岳地帯で、ここは気温が低く、天候の変化も激しい環境です。
こうした場所では、どこにどのような巣を作るかが生存に直結すると考えられます。
研究では67頭のチンパンジーの群れを追跡し、夕方の巣作りの様子を観察。
そして翌朝、使われなくなった巣に登って、その深さや厚み、位置などを詳しく測定し、巣作り時とその夜の天候とを比較しました。
その結果、チンパンジーは気候環境に応じて巣を巧みに作り分けていることが明らかになりました。
例えば、風が弱く暖かい場所を意識的に選んだり、寒かったり湿っていたりする天候条件では、より厚く深い巣を作る傾向が見られました。
また、雨が予想される場合には、より背の高い木で、葉が密に茂った場所を選ぶことも分かりました。
つまり彼らの巣は、単なる「枝の集まり」ではなく、その日の環境に応じて設計された“機能的な寝床”だったのです。
しかし最も驚くべきは、チンパンジーの行動が「巣を作った時の天気」よりも、「その後の夜間の天気」とより強く一致していたことでした。

























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