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人間は抽象画の隠された「黄金律」を感じ取っている可能性。イメージ / Credit:Canva
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人間は抽象画に隠された「黄金律」を見抜いている【AIアートでは再現されず】 (2/2)

2026.06.22 06:30:52 Monday

前ページ本物の抽象画のほうがAIアートよりも高く評価された

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人間は「本物の抽象画」に隠された”黄金律”を見抜いている可能性

興味深いことに、ギャラリーでの結果は実験室とは少し異なりました。

参加者は、疑似アートの展示の前でより長く時間を過ごし、視線も長く留まる傾向を示したのです。

一見すると、AIが作った疑似アートのほうが人を引きつけたように思えます。

ただし研究チームは、この結果を単純に「疑似アートの方が美的に優れていた」とは解釈していません。

ギャラリーでは、参加者は「これは美術展である」という前提で作品を見ています。

そのため研究チームは、参加者が疑似アートの中にも意味や意図を探そうとした可能性を考えています。

つまり疑似アートは、人を深く感動させたというより、理解しにくかったために視線を引き留めた可能性があるのです。

研究チームの解析では、参加者がよく見た場所と、数学的に検出された「輪」「穴」「模様の密度」などの特徴に対応が見られました。

人間の目は、抽象画の中にある構造が密な場所を無意識に追っていた可能性があります。

さらに研究チームは、カンディンスキー、ロスコ、ポロックなど著名な抽象画家の作品も分析しました。

そこで見つかったのが、「Alexander duality」という数学的関係の崩れ方に共通する傾向です。

これは簡単に言えば、絵の中の形と、その周囲にある余白がどのようなバランスで配置されているかを見る考え方です。

著名な抽象画家たちの作品では、このバランスの崩し方が似た程度に収まっていたのです。

研究チームは、この共通した崩し方を、抽象画における隠れた「黄金律」のようなものかもしれないと考えています。

もちろん、画家たちが数学を意識して作品を作っていたわけではありません。

また、この研究は芸術の価値を数学だけで決められると主張するものでもありません。

抽象画には、歴史、文化、筆づかい、展示空間、鑑賞者の記憶など、数式では測れない要素も多く含まれます。

それでも今回の研究は、「抽象画はただのランダムな模様ではない」という見方を強く後押しします。

人間の目は、私たち自身が気づくよりも先に、抽象画の中に隠された秩序を探し当てているのかもしれません。

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