古代ローマの「パズルロック」
難しいパズルは解ける人が限られるため、錠前(錠と鍵)として利用できます。
約2000年前の古代ローマでは、パズル型の南京錠が利用されていました。
この指輪サイズの南京錠はブロンズ製で、表面にはローマ神話のヤヌスのモチーフが彫られています。
この南京錠を開けるには指輪型の鍵が必要ですが、鍵穴に鍵をさすだけではロックを解除できません。
錠前には小さなプレートやスイッチが隠されており、それらを順番に動かすことで解除できるのです。
ちなみにこの「パズルロック」は、主に貴重品を送る際の「改ざん防止の封」として利用されました。
差出人と受取人だけが鍵と解除方法を共有することで、パズルロックありの袋の中身が誰にも改ざんされていないことを保証したのです。
あたかも現代のインターネットで使われる暗号鍵技術のようですね。
ちなみに、現存するパズルロックはどれも正常に作動しません。
しかしながら、レプリカが作られており、そちらでは従来のパズルを楽しめるようです。