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1日1杯未満でも癌リスク向上 / Credit:Canva
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酒は「1日1杯未満」でも複数のがんリスク上昇、843研究の再解析で判明

2026.06.24 11:30:50 Wednesday

「毎日少し飲むくらいなら、むしろ健康に良い」

そんな話を聞いたことがある人は多いでしょう。

しかし今回、アメリカ・ワシントン大学(University of Washington)の研究チームが843本の研究を統合した最新解析から見えてきたのは、もっとややこしい現実です。

少量飲酒では、一部の病気リスクが低くなるように見えます。

一方で、乳がんや大腸がんなど複数のがんでは、1日1杯未満でもリスク上昇が確認されたのです。

「適量なら安全」という単純な話では、どうやらなさそうです。

この研究は2026年6月1日に学術誌『Nature Health』に掲載されました。

Alcohol linked to higher risk across multiple cancers, even below one drink daily https://medicalxpress.com/news/2026-06-alcohol-linked-higher-multiple-cancers.html
Health effects associated with alcohol consumption: a Burden of Proof study https://doi.org/10.1038/s44360-026-00139-5

「少量なら健康に良い」は本当なのか?

アルコールと健康の関係は、昔から非常に扱いづらいテーマでした。

飲酒が肝臓病やがんのリスクを高めることはよく知られています。

一方、少量から中程度の飲酒をする人は、全く飲まない人より心血管疾患や2型糖尿病のリスクが低いように見える、という研究も多く報告されてきました。

このため、「酒は百薬の長」という昔ながらの言葉を、現代の研究はどう見直すべきなのかが議論されてきたのです。

そこで研究チームは、過去に発表された研究を集めて再解析しました。

対象になったのは、乳がん、大腸がん、食道がん、喉頭がん、肝がん、膵臓がん、前立腺がんなど10種類のがんに加え、虚血性心疾患、脳卒中、心房細動、2型糖尿病、アルツハイマー病およびその他の認知症、肝硬変、膵炎、結核、下気道感染症などです。

解析には、1961年から2023年までに発表された843件のコホート研究と症例対照研究が使われました。

研究チームは「Burden of Proof」というメタ解析の枠組みを用い、研究ごとのばらつきやバイアスを考慮しながら、かなり慎重にリスクを見積もりました。

これは簡単に言えば、「最も強く見える結果」ではなく、「控えめに見てもデータから支持される影響」を評価する方法です。

その結果、アルコールの影響は病気によって大きく異なることが分かりました。

がんや肝疾患ではリスク上昇が目立ちましたが、一部の心血管疾患や代謝疾患では、少量から中程度の飲酒でリスクが低く見える結果もありました。

ただし、この「低く見える」結果をどう解釈すべきかは慎重に考える必要があります。

では、具体的にどの病気で、どの程度リスクが変わったのでしょうか。

より詳細な結果は次項で見ていきます。

次ページ少量でもがんリスクは上がるが、心血管系では話が複雑

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