1万6000本以上の土壌データから、地下ネットワークの地図を作った
今回の研究は、1カ所の森や草原を調べたものではありません。
研究チームは、過去322件の研究から得られた世界各地の1万6000本以上の土壌コアのデータを集めました。
そこには、森林、草原、湿地、農地、砂漠、ツンドラなど、さまざまな環境の土壌が含まれています。
これらのデータをもとに、まずチームは、どのような気候、土壌化学、植生の条件でAM菌糸が多くなるのかを調査。
次に、機械学習を使って、直接サンプルが採られていない地域についても、菌糸ネットワークの密度を予測しました。
さらに重要なのが、菌糸の「太さ」を測る作業です。
菌糸の長さだけでは、全体の重さを計算できません。
細い糸が長く伸びているのか、太い糸が密集しているのかによって、バイオマスは変わるからです。
そこでチームは、ロボット画像解析を使って、30万本以上の生きたAM菌糸を測定。
この情報を組み合わせることで、菌糸ネットワークの長さだけでなく、その総バイオマスも推定できるようになりました。
その結果、地球の表土上部15センチメートルには、約110京キロメートルのAM菌糸ネットワークが存在すると推定されたのです。
その質量は、炭素量として約3億トンに達すると推定されています。
これは生きている人類全体の重さのおよそ4〜6倍に相当する規模です。
しかもこのネットワークは、単に地中に眠っているだけではありません。
植物から地下生態系へと炭素を運び、水や栄養の流れにも関わっています。
研究チームは、AM菌ネットワークが毎年およそ40億トンCO2換算の炭素を土壌へ運ぶ経路になっていると推定しています。
見えない菌糸の糸は、地球の炭素循環を支える巨大な通路でもあったのです。





























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