ウランを「水に溶けにくい」状態に変える
ウランは、周囲の酸素量や水質によって、異なる化学状態に変化します。
汚染水の中では、おもに「6価ウラン」と呼ばれる高い溶解性の状態で存在します。
6価ウランは水に溶けやすいため、地下水とともに移動しやすいという問題があります。
一方、電子を受け取って「4価ウラン」になると、水に溶けにくい鉱物を形成し、その場にとどまりやすくなります。
そのため、微生物の力で6価ウランを4価ウランへ変え、汚染地域から動かないようにする方法が研究されてきました。
これはウランそのものを消す方法ではありません。
水に溶けて移動できる状態から、固体として移動しにくい状態へ変えることで、汚染の拡大を防ぐという考え方です。

研究チームは今回、ドイツ東部のエルツ山地にあるシュレーマ=アルベローダ鉱山の坑内水を使用しました。
この鉱山は1990年まで世界有数のウラン採掘地でしたが、閉山後に地下坑道が水で満たされ、現在も坑内水の処理が必要になっています。
採取した水には、鉱山の地下環境に適応した天然の細菌群集が、最初から含まれていました。
チームは、この鉱山水に「グリセロール」という細菌の栄養源を加え、酸素のない暗所で130日間培養。
グリセロールは植物や動物の脂肪に含まれる成分であり、一部の細菌にとって炭素源やエネルギー源になります。
つまり、もともと坑内水にいた細菌たちに「エサ」を与え、その活動を活発にしたのです。
なお、今回新種の細菌が発見されたわけではありません。
鉱山の水に生息する複数の細菌が協力することで、ウランを固定する働きが生じると示された研究です。




























