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fungi

水に溶けたウランを「固体化」させる細菌の能力を新発見

2026.07.13 12:00:21 Monday

ウランは、人体や環境に悪影響を及ぼす有害な重金属です。

しかも、水に溶ける化学状態になると、地下水とともに移動し、もともとの汚染源から離れた場所へ広がる恐れがあります。

そのため、ウランで汚染された鉱山跡地や地下水では、ウランをどうやってその場に封じ込めるかが大きな課題となっています。

しかし最新研究で、鉱山の水にすむ細菌群集が、水に溶けたウランを移動しにくい固体へ変える働きを持つことが明らかになりました。

今後の研究次第では、汚染水中を移動するウランをその場に封じ込め、地下水への拡散を抑える新たな方法につながるかもしれません。

では、細菌はどうやってウランを「固体化」させたのでしょうか?

研究の詳細は、独ヘルムホルツ・ドレスデン・ロッセンドルフ研究センター(HZDR)により、2026年5月4日付で科学雑誌『Nature Communications』に掲載されています。

Bacteria turn dissolved uranium into stable compound in 130 days, study finds https://phys.org/news/2026-07-bacteria-dissolved-uranium-stable-compound.html Bacteria Turn Toxic Uranium Into a Surprisingly Stable Compound https://scitechdaily.com/bacteria-turn-toxic-uranium-into-a-surprisingly-stable-compound/
Pentavalent and tetravalent uranium formation via glycerol-stimulated bacteria in mine water https://doi.org/10.1038/s41467-026-72560-z

ウランを「水に溶けにくい」状態に変える

ウランは、周囲の酸素量や水質によって、異なる化学状態に変化します。

汚染水の中では、おもに「6価ウラン」と呼ばれる高い溶解性の状態で存在します。

6価ウランは水に溶けやすいため、地下水とともに移動しやすいという問題があります。

一方、電子を受け取って「4価ウラン」になると、水に溶けにくい鉱物を形成し、その場にとどまりやすくなります。

そのため、微生物の力で6価ウランを4価ウランへ変え、汚染地域から動かないようにする方法が研究されてきました。

これはウランそのものを消す方法ではありません。

水に溶けて移動できる状態から、固体として移動しにくい状態へ変えることで、汚染の拡大を防ぐという考え方です。

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ウランの状態変化の図解イメージ/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

研究チームは今回、ドイツ東部のエルツ山地にあるシュレーマ=アルベローダ鉱山の坑内水を使用しました。

この鉱山は1990年まで世界有数のウラン採掘地でしたが、閉山後に地下坑道が水で満たされ、現在も坑内水の処理が必要になっています。

採取した水には、鉱山の地下環境に適応した天然の細群集が、最初から含まれていました。

チームは、この鉱山水に「グリセロール」という細菌の栄養源を加え、酸素のない暗所で130日間培養。

グリセロールは植物や動物の脂肪に含まれる成分であり、一部の細菌にとって炭素源やエネルギー源になります。

つまり、もともと坑内水にいた細菌たちに「エサ」を与え、その活動を活発にしたのです。

なお、今回新種の細菌が発見されたわけではありません。

鉱山の水に生息する複数の細菌が協力することで、ウランを固定する働きが生じると示された研究です。

次ページ細菌パワーで、水に溶けたウランが96%減少

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