細菌パワーで、水に溶けたウランが96%減少
実験開始時、坑内水には1リットルあたり約1ミリグラムの6価ウランが溶けていました。
ところがグリセロールを加えて細菌を活性化すると、130日後には0.04ミリグラムまで低下しました。
水中の6価ウランが、約96%も減少したことになります。
一方、グリセロールを加えなかった試料での減少は約25%、細菌を死滅させてからグリセロールを加えた試料では約36%でした。
対照実験でもウランが多少減っているのは、容器の表面や水中の鉱物粒子などに吸着したためと考えられます。
しかし、生きた細菌とグリセロールを組み合わせた試料で最も大きく減少したことから、細菌群集の活動がウランの固定を強く促したと判断できます。
実験を進めると、水中には黒い沈殿物が現れました。
電子顕微鏡で調べたところ、細菌の表面にはウランを含む、ごく小さな粒子が集まっていました。
その大きさは、おもに直径2~3ナノメートルです。
1ナノメートルは100万分の1ミリメートルなので、肉眼では到底見えない小ささです。
分析の結果、4価ウランは「ウラニナイト」と呼ばれる鉱物のナノ粒子になっていました。
さらに、ウランが鉄や酸素と結びついた「FeU(V)O₄」という別のナノ粒子も形成されていました。
つまり、細菌はウランを食べて消してしまったのではなく、化学状態を変化させ、細胞表面や沈殿物の中に固定していたのです。


























