超加工食品は「うつ病」の発症リスクを高める?
うつ病は、日常生活に支障をきたすほどの強い悲しみ、絶望感、やる気の減退、活動に対する興味や喜びの喪失などを特徴とする気分障害です。
また食欲や睡眠の質、エネルギーレベル、集中力の低下を伴うことも知られています。
現在、うつ病は世界的に最も増加傾向にある精神疾患の一つであり、世界保健機関(WHO)は患者数が2015年時点で約3億2200万人を突破したと推定しています。
うつ病の重症度には様々な要因が関係しますが、近年の研究では特に食事の質の低さとの関連性が注目され始めています。
食生活は他の多くのうつ病関連因子よりも容易に直せる習慣であるため、うつ病との関連性をはっきりさせることは非常に重要です。
そこで研究チームは、質の低い食事の代表でもある「超加工食品」に焦点を当てました。
超加工食品とは、高レベルの糖分、塩分、脂肪分を含み、同時に人工甘味料や乳化剤、保存料などの添加物を混ぜて加工された食品のことです。
多くの超加工食品は常温でも保存でき、長持ちするメリットを持ちますが、その反面、栄養価はかなり低くなっています。
代表的な食品を挙げると、スナック菓子、菓子パン、菓子類(ビスケット・アイス・チョコ等)、カップ麺、冷凍食品、清涼飲料水などです。
スーパーやコンビニで気軽に買えるため、私たちにとっては馴染み深いラインナップばかりでしょう。
ただし、こうした食品ばかりを食べると体に良くないのは想像に難くありません。
チームは今回、「超加工食品の摂取」と「将来的なうつ病リスク」との関連性を調べることにしました。