直径23cmの椎骨が示した「全長24.3m」のメガロドン
チームが特に注目したのは、比較的よく保存されていた「椎骨I」です。
この椎骨には中心部と外周部の一部が残っており、そこから半径115mmを測定できました。
椎骨がほぼ円形だったと仮定すると、直径は230mm、つまり23cmになります。
これは、1980年代に報告されていた数値と一致するものでした。
つまり、これまで写真だけに頼っていた「巨大椎骨」の記録が、実物標本によって改めて確認されたのです。
この23cmという椎骨径は、既知のメガロドン椎骨として最大級であり、チームは、この個体が現時点で科学的に推定できるメガロドン最大級の個体だった可能性を示しています。
その推定体長は24.3mです。(※ 現生するホオジロザメでも、最大個体は全長6mほど)
これは、標準的な市内バスを2台並べたほどの長さに相当します。
ただし、ここで注意すべきなのは、メガロドンの完全骨格が見つかったわけではないという点です。
24.3mという数字は、椎骨径と他のメガロドン標本との比較から導かれた推定値です。
論文では、成長帯の解析から理論上は28m近くまで成長し得た可能性も示されていますが、この成長モデルには多くの仮定が含まれるため、著者らも「かなり暫定的」としています。
そのため、現時点で最も慎重かつ妥当な表現は「この標本は全長24.3m級のメガロドンを示す、史上最大級の候補である」というものです。

さらに今回の標本は、メガロドンの食生活についても興味深い手がかりを残していました。
椎骨の周囲の岩石や堆積物から、ウバザメ類の小さな鱗が多数見つかったのです。
チームは、椎骨そのものは大きさや形、石灰化の状態からウバザメではなくメガロドンのものだと判断しています。
そのうえで、近くに集中していたウバザメ類の残骸は、メガロドンの胃内容物だった可能性があると考えました。
もしそうなら、この巨大個体は死の直前に、別の大型サメを食べていたことになります。
これは、メガロドンが大型の獲物を狙うだけでなく、かなり幅広い食性を持っていた可能性を示す手がかりです。
もちろん、胃内容物だったという解釈も確定ではありません。
しかし、巨大な椎骨とともに別のサメの微小な残骸が見つかったことは、メガロドンの生態を考えるうえで非常に珍しい発見です。





























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