ツクツクボウシのオスは相手の鳴き声の直後に「合の手」を入れると判明
ツクツクボウシのオスは相手の鳴き声の直後に「合の手」を入れると判明 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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ツクツクボウシのオスは相手の鳴き声の直後に「合の手」を入れると判明

2026.09.13 18:41:49 Sunday

夏の終わりの帰り道、ツクツクボウシの声が途切れて「ジューッ」と締まる。

セミのオスが鳴くのは、メスを呼ぶため。

声の特徴は種ごとに違い、同じ一続きの鳴き声の中でも刻々と変わります。

ツクツクボウシのオスには、2種類の鳴き声があります。

1つは高潮音。「オーシンツクツク」と繰り返す、テンポのよい声です。

もう1つが合の手。「ジューッ」と長く伸びる声です。

論文の分類では、短い声を速いテンポで繰り返す型と、長い声をゆっくり出す型の2つです。

2匹のオスが近くにいると、片方の高潮音にもう片方が合の手を返す。

この現象自体は、以前から知られていました。

ただ、合の手をいつ入れるのかは分かっていなかった。

筑波大学が発表したこの研究では、オス2匹を近くに置いて鳴き声を録音し、2匹が声を出すタイミングの規則性を調べました。

結果、合の手を安定して出した個体のうち96%(23匹中22匹)が、相手が高潮音を出した直後に合の手を入れていました。

対象は実験室で録音したツクツクボウシのオスで、タイミングの解析は合の手を安定して出した23匹についてのものです。

この規則正しさは、相手の声を邪魔するためなのでしょうか。

研究内容の詳細は2025年4月15日に『Journal of Experimental Biology』にて発表されました

規則的に合の手を発するツクツクボウシの鳴き方を発見(筑波大学 TSUKUBA JOURNAL) https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20250423000100.html Difference in the responses of male cicada Meimuna opalifera to the two parts of conspecific calling song (Entomological Science, 2023) https://doi.org/10.1111/ens.12550
Temporal structure of two call types produced by competing male cicadas https://doi.org/10.1242/jeb.249399

「相手の声を邪魔する」仮説は、ほとんど支持されなかった

「相手の声を邪魔する」仮説は、ほとんど支持されなかった
「相手の声を邪魔する」仮説は、ほとんど支持されなかった / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究チームはまず、仮説を1つ立てました。

相手の鳴き声を効率よく邪魔するために合の手を入れているのではないか、という考えです。

確かめ方は、比べること。

合の手を出す時刻をでたらめにした数値シミュレーションと、実際の録音とを、個体ごとに突き合わせました。

効率よく相手の高潮音に重ねていると言えたオスは、23匹中2匹(8.7%)にとどまりました。

相手の声をかき消すために合の手を入れている、という説明は、全体としては支持されなかったのです。

2匹の鳴き声のやりとりには、タイミングのほかにもう1つ見つかったことがあります。

2匹は、ときどき声の種類を入れ替えていました。

高潮音を出していた側が合の手に回り、合の手を入れていた側が高潮音を出す。

相手の声を邪魔するためでないなら、この規則正しい掛け合いは何のためなのでしょうか。

次ページ鳴き声の「掛け合い」は、ほとんど調べられていなかった

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