猫の「おしっこ名刺」、在庫は腎臓にためてあった
猫の「おしっこ名刺」、在庫は腎臓にためてあった / Photo by Ec lipse on Pexels
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猫の「おしっこ名刺」、在庫は腎臓にためてあった (3/3)

2026.09.25 08:00:00 Friday

前ページ手がかりは猫の「飽き方」と口を開けた顔

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名札のもとをためておく「倉庫」は腎臓にあった

名札のもとをためておく「倉庫」は腎臓にあった
名札のもとをためておく「倉庫」は腎臓にあった / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

くずれにくさの理由は、おしっこが外に出たあとと、猫の体の中の両方にありました。

まずは外に出たあとです。

おしっこのにおいのもとになる揮発性(蒸発しやすい性質)の物質の多くは、おしっこが残されるとすぐに変わりはじめます。

これに対してBFAは「半揮発性」で、ほかの物質よりもゆっくりと蒸発します。

おしっこをしみこませたものを25℃に置いた実験では、猫ごとのBFAの配合が少なくとも24時間は比較的安定していました。

におい全体が変わっていくなかでも、BFAの配合は比較的そのまま残りやすいのです。

次は体の中です。

研究チームがBFAの出どころをたどると、行き着いたのは腎臓でした。

腎臓は、おしっこを作る臓器です。

その外側の層(腎皮質)には、トリアシルグリセロールという脂肪をたっぷり含んだ小さなあぶらのつぶ(脂肪滴)があり、BFAはここにたくわえられていました。

この「倉庫」が短い期間のゆれをやわらげ、毎回似た配合のおしっこが出るのを支えていると考えられます。

大きな鍋いっぱいのスープに少し水を足しても、味がほとんど変わらないのに似ています。

イエネコでは、腎臓という臓器がにおいの個性を安定させていたことになります。

研究チームは、ほかのネコ科の動物のおしっこや腎臓も比べています。

その結果、BFAに関わる特徴はネコ科に広く見られましたが、どの仲間でも同じというわけではありませんでした。

BFAの顔ぶれがどれだけ多彩か、そしてそれをどうたくわえているかは、ネコ科の中のグループによってさまざまだったのです。

においは消えていくものと思いがちですが、イエネコは腎臓にためた材料で、変わりにくい「名札」を作っているようです。

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