孤独と将来の働き方のつながりが弱まっていたのは、どんな10代?

分析の結果、10代のころに孤独を強く感じていた人ほど、大人になってからの雇用が不安定な傾向が見られました。
この関係は、きょうだい同士を比べて家庭の事情をそろえた後も残っていました。
つまり、この結びつきは「どんな家庭で育ったか」だけでは説明しきれないのです。
追加の分析では、特につながりが強かったのは、仕事の安定性、休暇や年金・保険といった手当を受けられるかどうか、そして職場で自分で決められる余地に関わる部分でした。
次に研究では、学校と近所の地域への「愛着」がこの関係を変えるかを調べました。
ここでいう学校への愛着とは、学校に自分の居場所があると感じる気持ちのことです。
その結果、学校への愛着が強かった10代では、孤独と雇用の不安定さのつながりが弱まっていました。
一方で、近所の地域への愛着には、そうしたはっきりした働きは見られませんでした。
研究者たちは、学校こそがこの関係を和らげる大切な場になっていると見ています。
ただし、今回示されたのは両者の「関連」で、孤独そのものが働き方を不安定にすると確かめられたわけではありません。
また、労働者の団体づくりや職業訓練など、雇用の不安定さに関わる面の中には、調査データに含まれていなかったため測れなかったものもあります。
対象はアメリカの若者で、10代の調査は1990年代半ばに行われたものです。
それでもこの研究は、若い大人の働き方の格差を考えるうえで、10代の孤独と学校での居場所が見落とせない要素であることを示しています。
10代の「ひとりぼっち」は、その時だけの気分ではなく、何年も先の働き方にまで影を伸ばしているのかもしれません。
そして、その影を薄くする手がかりは、毎日通う学校の中の「ここにいていい」という感覚にあるのかもしれません。




















