ダークチョコレートのほうがミルクチョコレートよりも回数が増えた

実験に参加したのは、週2回以上の筋トレを2年以上続けている、平均年齢23歳の健康な男性23人です。
23人全員が、カカオ90%のダークチョコレート、ミルクチョコレート、無臭の水の3つを、別々の朝に嗅ぎました。
同じ人がすべての条件を試す方式で、試す順番は無作為に決めています。
実験前には、10時間以上、何も食べずに来てもらいました。
どの瓶に何が入っているかは、参加者にも、回数を数える担当者にも伏せました(二重盲検)。
嗅ぐのは1回30秒で、運動前と、セットの合間の休憩のたびに繰り返しました。
種目は、椅子に座ったまま膝を伸ばして重りを持ち上げるレッグエクステンションです。
重さは、10回持ち上げられる限界の重さの8割に設定し10回を1セットとし、休憩を挟んで続けられなくなるまで繰り返しました。
ここで確かめたいのは、食べてエネルギーを補給しなくても、香りだけで運動回数が変わるかどうかです。
空腹感が運動を続ける妨げになるなら、それを和らげる香りで回数が伸びるかもしれません。
最初に表れたのは、運動前の空腹感や満腹感の違いでした。
ダークチョコの日は、一口も食べていないのに、水の日より空腹感と「食べたい」という気持ちが低く、満腹感が高くなっていました。
ミルクチョコの日は水の日と空腹感に差がなく、むしろ「食べたい」気持ちが水の日より少し強まりました。一方、香りの心地よさは、水より高く評価されました。
運動回数にも、はっきりとした差が表れました。
水の日の総回数は平均60回あまりでしたが、ダークチョコの日は平均18回多い80回近くまで伸びました。
ミルクチョコの日も水の日より平均9回多くなりましたが、ダークチョコはそれをさらに9回上回りました。
セット数でも、ダークチョコは水とミルクチョコのどちらよりも、平均で約1セット多くなりました。
また興味深いことに、被験者たちは実験中にダークとミルクの種類まで見抜けていたとは、はっきり確認されませんでした。
さらに運動回数とは対照的に、セットごとに答えてもらったきつさ(主観的運動強度)には、香りによる明確な差は見られませんでした。
それでも、チョコの日はきつさの評価が高くなることなく、より多くの回数をこなしていたのです。





















