別の部屋の画像は見えたのか?

結論から言うと、参加者の答えは、当てずっぽうに答えた場合より正確だとは言えませんでした。
つまり今回の実験では、体外離脱で別の部屋の画像が見えていたことは示されなかったのです。
ところが、話はここで終わりませんでした。
実験のあとに行われた聞き取りで、2人の参加者が、実験中に研究者たちがどこにいて何をしていたかを語り出したのです。
7番目の参加者の女性は、体外離脱をしているあいだに、隣の部屋にいる研究者たちが見えたと話しました。
彼女は、1人がパソコンの画面に集中し、もう1人が本を読んでいたと、2人の座り方を説明しました。これは実際の様子と合っていました。
13番目の参加者も、研究者の1人がメモを取り、もう1人がパソコン画面の左側に座っていたと語り、こちらも実際の様子どおりでした。
なんとも背筋がぞわっとする一致です。
とはいえ、2人の話は、もともとの実験で確かめる予定だった内容ではありませんでした。
そのため、この話を「体外離脱で人が超自然的な力を得られる証拠」とみなすことはできません。
それでも研究者たちは、この出来事が意識の研究のこれからに興味深い問いを投げかけていると述べています。
ワイラー氏は「予想外の結果は役に立つかもしれない新しい方向を示してくれますが、それが何を意味するかを知るには、前もって計画し、厳しい条件のもとで確かめる必要があります」と話しています。
研究チームは次の実験として、もっと記憶に残りやすく、目立ち、感情を動かすような目印を使うことを提案しています。
たとえば、見えない場所にいる研究者が特定の服や色を身につけておき、参加者が聞かれてもいないのにそれを口にすれば、注目すべき手がかりになりそうです。
ワイラー氏は「この研究は、体外離脱が本物かどうかだけを問うているのではなく、そもそも『本物』とは何を意味するのかを問うているのです」とも語っています。
そして、自分にとって最も大切な教訓は、予想外の結果が時により良い問いを立てる助けになることがある点だと述べ、次の実験で確かめられる具体的なアイデアを得たことこそ科学のあるべき姿だ、とも話しています。
今回の実験は、体外離脱で壁の向こうが見えることを示せませんでしたが、「次に何をどう確かめればいいか」をはっきりさせました。
不思議な体験をすぐに信じるのでも笑い飛ばすのでもなく、確かめ方を工夫し続けることこそ、科学のいちばん面白いところなのかもしれません。





















