放射線スキャンで地中の建物を透視
そこでロシア科学アカデミー、スコベルツィン核物理学研究所、ロモノソフ・モスクワ州立大学、ダゲスタン州立大学の共同研究チームが、この謎を解明するため、放射線撮影法を用いて建物を傷つけることなく埋蔵部分の全体像の作成を試みた。
それがこちら。
調査の結果、なんと地中の建物は十字架の形をしていることが判明したのである。建物の高さは36フィート(約10m)、南北方向の長さは50フィート(約15m)、東西方向の幅は44フィート(約13m)に及ぶ。
十字架はキリストのシンボルであるため、建物が教会であることにも説得力が増す。研究チームのNatalia Polukhina氏は「この地下構造から、建物が貯水タンクとしては使えないことがうかがえます。建物の地下はキリスト教会として使われていた可能性は非常に高いでしょう」と話している。
現在、世界最古のキリスト教会とされているのがアルメニアのエチミアジン大聖堂にある教会で、建造年代は紀元後301年頃だ。ナリン・カラ要塞が建造されたのもおよそ300年あたりと言われているので、もしキリスト教会ならば、こちらが最古である可能性もあるだろう。