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Credit:Autonomous Microrobotic Systems Laboratory USC
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電池不用、「メタノールのみ」で動くマイクロボットが開発される

2020.08.26 Wednesday

マイクロボットの用途は幅広く可能性に満ちていますが、動力源や駆動時間が課題となってきました。

しかし、米国南カリフォルニア大学ロサンゼルス校、航空宇宙機械工学科のシウフォン・ヤン氏ら研究チームが開発した最新マイクロボット「RoBeetle(ロビートル)」はそれらの課題を克服。

そのロボットは電池を使用せずメタノールで人工筋肉を動かすため、燃費がよく最大2時間駆動します。

また重量がたったの0.088gであり、「これまでに開発された中で最も軽量な小型自律ロボット」の1つになります。

sciencemag https://www.sciencemag.org/news/2020/08/watch-tiny-robot-powered-alcohol?utm_campaign=NewsfromScience&utm_source=JHubbard&utm_medium=Twitter

マイクロボットの燃料問題と新しい駆動方法

従来のロボットは、バッテリーを搭載し電流駆動するものがほとんどです。

しかし最高級のバッテリーであってもそのエネルギー密度は1.8MJ/kgであり、動物脂肪から得られるエネルギー密度38MJ/kgには到底及びません。

ヤン氏らが新しく考案した「メタノール筋力」から得られるエネルギー密度は20MJ/kgとなっており、従来のバッテリー駆動の10倍以上の数値を示しています。

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Credit:Autonomous Microrobotic Systems Laboratory USC

では、この燃費の良い「メタノール筋力」とはどのようなものなのでしょうか?

ロビートルの燃料タンクにはメタノールが保存されています。

またニッケルチタン合金ワイヤーでできた人工筋肉をもっており、これは加熱することで「縮む」性質をもつのです。

加えて人工筋肉は白金(プラチナ)粒子でコーティングされています。

白金はメタノールと酸素の反応(燃焼)を促進させる触媒作用をもっているため、メタノールがある限り人工筋肉を加熱できるのです。

加熱されることで人工筋肉が縮むと、連動して燃料タンクのバルブが閉じられるようになっています。これにより燃焼が止まり、人工筋肉は急速に冷め、収縮も元に戻ります。

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Credit:Autonomous Microrobotic Systems Laboratory USC

このように前足に繋がった人工筋肉の収縮と膨張が連続して繰り返されることによって、ロビートルは這うように前進できるのです。

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Credit:Autonomous Microrobotic Systems Laboratory USC

次ページロビートルは超効率的であり、様々な分野での活動が期待できる

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