マイクロボットの燃料問題と新しい駆動方法
従来のロボットは、バッテリーを搭載し電流駆動するものがほとんどです。
しかし最高級のバッテリーであってもそのエネルギー密度は1.8MJ/kgであり、動物脂肪から得られるエネルギー密度38MJ/kgには到底及びません。
ヤン氏らが新しく考案した「メタノール筋力」から得られるエネルギー密度は20MJ/kgとなっており、従来のバッテリー駆動の10倍以上の数値を示しています。
では、この燃費の良い「メタノール筋力」とはどのようなものなのでしょうか?
ロビートルの燃料タンクにはメタノールが保存されています。
またニッケルチタン合金ワイヤーでできた人工筋肉をもっており、これは加熱することで「縮む」性質をもつのです。
加えて人工筋肉は白金(プラチナ)粒子でコーティングされています。
白金はメタノールと酸素の反応(燃焼)を促進させる触媒作用をもっているため、メタノールがある限り人工筋肉を加熱できるのです。
加熱されることで人工筋肉が縮むと、連動して燃料タンクのバルブが閉じられるようになっています。これにより燃焼が止まり、人工筋肉は急速に冷め、収縮も元に戻ります。
このように前足に繋がった人工筋肉の収縮と膨張が連続して繰り返されることによって、ロビートルは這うように前進できるのです。