乾燥状態で数十年も生きられる
新種生物が見つかったのは2017年のこと。研究チームが、ルート砂漠の生態調査をしていた際、砂漠南部に位置する季節性の小さな湖で発見されました。
新たに学名が「Phallocryptus fahimii」と命名されましたが、これは発見者の一人であり、2018年の飛行機事故で亡くなったイランの生物学者ハディ・ヒミ(Hadi Fahimi)氏から取られています。
研究チームのホセイン・ラジャエイ博士は「こうした過酷な環境下での生態調査では、特に水場に注意して生物を探します。しかし、暑く乾燥したルート砂漠で甲殻類が見つかったことは本当にセンセーショナルでした」と話します。
調査の結果、この生物は、干上がった土壌の中で何十年も生き延びることができ、水場が回復する雨季に孵化していることが分かりました。
過去にもオーストラリアで砂漠環境適応した類似の甲殻類が見つかっていますが、世界一過酷なルート砂漠に適応した点で、非常に特異であるようです。