シナプスはタンパク質分子の変換によってバイナリで情報を記憶している。
シナプスはタンパク質分子の変換によってバイナリで情報を記憶している。 / Credit:canva
brain

人間の脳は有機スーパーコンピュータだった!「0と1」で記憶を保存すると明らかに (2/2)

2024.07.07 Sunday

前ページ人間の脳は有機スーパーコンピュータだった

<

1

2

>

細胞からの圧力で0と1を表現するスイッチみたいなタンパク質

今回の発見によると、シナプスを取り巻くタリン分子は、折りたたまれた形状と、開いた形状の2つの安定的な状態を持っています。

タリンは機械的な圧力を受けることでこの形状を変化させ、まるでスイッチの0と1のように機能するのです。

2つの形状を使って0と1を表現するタリン分子。
2つの形状を使って0と1を表現するタリン分子。 / Credit:Benjamin T. Goult,Frontiers in Molecular Neuroscience(2021)

細胞内には、細胞骨格という細胞を支えて安定させる繊維状の三次元ネットワークがあります。

この細胞骨格は、機械的な特性を持っていて、シグナルの伝達や細胞分裂など動的なプロセスに連動しています。

この細胞骨格がシナプス間のシグナル伝達を受けた際、小さな力を発生させタリンに圧力を与えます。するとタリンは形状を変化させて、シナプスにバイナリー形式の情報を記録していくのです。

これはシナプスに入力された情報に依存していて、新たな力が細胞骨格から発生すると情報が更新されます。

各シナプスに組み込まれた何百もの機械的スイッチから生じるバイナリコーディングを示すニューロンの図。
各シナプスに組み込まれた何百もの機械的スイッチから生じるバイナリコーディングを示すニューロンの図。 / Credit:Benjamin T. Goult,Frontiers in Molecular Neuroscience(2021)

この機械的なコード化は、すべてのニューロンで継続的に実行されていて、すべての細胞に広がっていき、最終的には生物全体を調整するコードとして機能します。

生まれたときから、生物が経験したことや環境条件がこのコードに書き込まれていき、常に更新され、その生物固有の記憶が数学的に表現されることになるのです。

グルト博士によると「細胞骨格は、化学的・電気的シグナルに反応して細胞内の計算を調整するレバーや歯車の役割を果たしている」と説明しています。

それはまるで初期のコンピュータにそっくりな仕組みです。

この発見は、機能や脳疾患の治療における新たな理解の始まりになるかもしれません。

自然に生まれた生物の記憶が、コンピュータと同じ方法で情報をコード化して記憶していた、というのはなんとも不思議で驚きに満ちた発見です。

※この記事は2021年公開の記事を再掲したものです。

<

1

2

>

人間の脳は有機スーパーコンピュータだった!「0と1」で記憶を保存すると明らかに (2/2)のコメント

ゲスト

2021年に公開した記事を、再掲載とか記さずに公開日を更新しているのはどうして?

    ゲスト

    ネタ切れになったけどたくさん稼ぎたい。あるいは労少なくお金を稼ぎたい。
    そのような理由から再掲記事をフレッシュな記事と誤認させる算段ですね。
    メディアとしての信用を売り払う行為です。下り坂ですね。

    ゲスト

    わいは初めて見たからよかったで
    ただ再掲載の場合はいつの情報かわかるようにしてほしいな
    見たことない記事はナゾロジー初心者やったらようあるしこういうのは悪ない

その種の手口は別のまとめサイトで見たことがあります

ゲスト

クソや

コメントを書く

※コメントは管理者の確認後に表示されます。

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

脳科学のニュースbrain news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!