人間の脳は有機スーパーコンピュータだった
記憶は脳の海馬の働きによって保存され、シナプスが記憶の回路を作っていると言われています。
しかし、具体的に脳のどこに記憶が保存されているのかは、はっきりわかっていません。
イギリス、ケント大学のバイオサイエンス学部の研究者ベンジャミン・グルト博士は、その場所を特定したと報告しています。
彼の発見したMeshCODE理論によると、脳の神経細胞がコンピュータのように複雑なバイナリコードを使って情報を記録しているのだといいます。
脳の中には、何兆個にも及ぶニューロン(神経細胞)が存在していて、シナプスを介して電気化学的なシグナル伝達を行っています。
それぞれのシナプスは、タリンというタンパク質分子が網目状の構造の足場を築いています。
これまでタリン分子は、単に細胞の構造的なものだと思われてきました。
しかし、今回の研究は、このタリンの網目が実際には情報を保存したり記憶をコード化するバイナリースイッチとして機能していることを示唆しています。
バイナリーというのは0と1で表される2進数のことを言います。
コンピュータのデータイメージとして、たまに0と1が羅列した文字列を見ることがありますが、コンピュータはこのバイナリー形式で情報を保存しています。
では、脳がバイナリー形式で情報を保存するというのはどういうことなのでしょうか?